地球は5回滅びかけていた。そして今、6回目が進行中?

今、この記事を読んでいるあなたも、地球上のすべての生き物も、実はとんでもない偶然の生き残りです。

地球の生命は約40億年の歴史の中で、何度も「ほぼ全滅」に近い危機を経験してきました。中でも特に規模が大きく、地球の生態系を根本から作り変えた5回の大量絶滅は「ビッグファイブ」と呼ばれています。

地球の46億年の歴史を1年のカレンダーに圧縮してみると、この5回の絶滅がどれだけ「最近」の出来事かがよくわかります。そして科学者の中には、私たちが今まさに「6回目の大量絶滅」の入り口に立っていると考える人もいます。

この記事では、

  • 地球史における5回の大量絶滅(ビッグファイブ)
  • それぞれ何が原因だったのか
  • 「地球46億年=1年」の時間感覚で見ると、いつ起きたのか
  • そして「6回目の大量絶滅」とは何なのか

を順番に見ていきます。


地球カレンダーで見る5回の大量絶滅

地球カレンダー出来事
11月27日ごろオルドビス紀末の大量絶滅
12月2日ごろデボン紀後期の大量絶滅
12月12日ごろペルム紀末の大量絶滅(史上最大)
12月15日ごろ三畳紀末の大量絶滅
12月26日ごろ白亜紀末の大量絶滅(恐竜絶滅)
12月31日 23時59分58秒ごろ産業革命以降、人類が環境へ大きな影響を与え始める

※地球46億年を1年(365日)に換算したおおよその日付です。


①オルドビス紀末(約4.4億年前・地球カレンダーでは11月27日ごろ)

原因:急激な寒冷化と氷河期 全生物種のおよそ85%が絶滅したとされる、最初の大量絶滅。

まだ生命の多くが海の中で暮らしていた時代です。三葉虫のような硬い殻を持つ生物が海の主役で、この時期にはすでに複眼のような発達した「眼」を持つ種も現れ、捕食者から逃れるための進化が進んでいました。

この絶滅を引き起こしたのは、隕石でも火山でもなく「急激な寒冷化」でした。南極付近に巨大な氷床が急速に形成され、海面が大きく低下。浅い海に広がっていた生態系が大きな打撃を受けたと考えられています。生命史における最初の大きな「ふるい」が、この氷河期でした。

②デボン紀後期(約3.7億年前・地球カレンダーでは12月2日ごろ)

原因:まだ決着していない謎の絶滅 森が生まれ、生物が陸へ進出し始めた転換点。

魚類が繁栄し、生物が海から陸へと進出し始めていた時代の絶滅です。ちょうどこの頃、地球最古級の森林とされるアーケオプテリスの森が広がり始めており、脊椎動物が陸へ上がり始めたばかりの大きな転換点でもありました。

この絶滅の原因はいまだにはっきり分かっておらず、海洋の酸素不足、大規模な火山活動、気候変動など複数の仮説が並立しています。中でも興味深いのが「宇宙由来」の説で、地球から比較的近い場所で起きた超新星爆発がオゾン層に影響を与え、生態系にダメージを与えた可能性を示す研究もあります。ただしこれは現在も検証が続いている仮説の一つです。もしこの説が正しければ、地球の生命は宇宙の出来事によって進化の方向を変えられたことになります。

③ペルム紀末(約2.5億年前・地球カレンダーでは12月12日ごろ)— 史上最大の絶滅

原因:超巨大火山活動と急激な温暖化 海洋生物のおよそ96%、陸生種のおよそ70%が姿を消したとされる、史上最大の絶滅。

5回の中でも別格の規模を誇るのがこの絶滅です。当時、地球上のすべての大陸が1つに集まった超大陸「パンゲア」が形成されていました。この大陸の合体に伴い、地下深くから巨大なマグマの塊が上昇してくる「スーパープルーム」と呼ばれる現象が起き、シベリア・トラップと呼ばれる史上最大級の火山活動が連鎖的に発生したと考えられています。

火山活動によって大量のメタンや温室効果ガスが放出され、気候と海洋環境が急激に変化。生態系がある程度回復するまでには、1000万年近い時間がかかったとも言われています。「史上最大の絶滅」と呼ばれるのも納得の規模です。

④三畳紀末(約2億年前・地球カレンダーでは12月15日ごろ)

原因:パンゲア分裂に伴う巨大火山活動 恐竜時代が始まるきっかけになった絶滅。

パンゲア大陸が分裂を始めた時期に起きた絶滅です(分裂が始まったのはその前日、地球カレンダーで12月14日ごろとされています)。大陸が引き裂かれる過程で大規模な火山活動が発生し、気候変動を引き起こしたというのが有力な説です。

この絶滅によって多くの競合生物が姿を消したことが、次の時代に恐竜が大きく繁栄する土台になったとも言われています。皮肉にも、絶滅が次の繁栄の引き金になっているのです。

⑤白亜紀末(約6600万年前・地球カレンダーでは12月26日ごろ)— 唯一「有名な」絶滅

原因:直径10〜15kmの小惑星衝突 恐竜時代を終わらせ、哺乳類の時代を開いた出来事。

5回の中で唯一、一般によく知られているのがこの絶滅です。直径10〜15km規模の小惑星が、現在のメキシコ・ユカタン半島付近に衝突しました。

この衝突が特に致命的だった理由の一つが「角度」です。研究によれば、この小惑星は地表に対しておよそ60度という、最も効率よく岩石や硫黄を気化させてしまう角度で突入したとされています。もし30度より浅い角度で衝突していたら、被害はまったく違う規模で済んでいた可能性があるとも言われています。この角度のせいで、垂直に近い衝突と比べてより多くの二酸化炭素や硫黄が大気中に放出され、太陽光を遮る「核の冬」に近い状態を招いたと考えられています。恐竜たちは、まさに「最悪の角度」で衝突した小惑星によって命運を分けられたことになります。

この絶滅がなければ、恐竜はまだ地球を支配していたかもしれません。哺乳類が大きく多様化し、やがて人類が誕生する道が開けたのは、この一度の衝突がきっかけだったとも言えます。


そして今、6度目の絶滅が進行中?

過去5回の大量絶滅は、氷河期・巨大火山活動・小惑星衝突といった、地球や宇宙の出来事が引き金でした。しかし現在、多くの生物学者や生態学者が「第6の大量絶滅」がすでに進行中だと指摘しています。今回の原因として挙げられているのは、森林破壊・気候変動・海洋汚染・外来種の拡大・生息地の消失など、人類の活動です。

一方で、「過去5回と同じ規模の大量絶滅にすでに達したと言えるのか」については、研究者の間でも議論が続いています。過去5回とは違い、原因が特定の生物種の行動にあるという点で、これまでの絶滅とは性質が異なります。

地球カレンダーで見ると、産業革命以降、人類が地球環境に大きな影響を与え始めてから現在までは、1年の最後のわずか2秒ほどにしかあたりません。46億年かけて築かれた生態系を、人類はそのほんの一瞬で大きく揺さぶり始めていることになります。

過去の5回から何を学び、この「最後の数秒」をどう生きるのか——それは今を生きる私たちに委ねられた問いなのかもしれません。


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